専門医資格の有無は印象に左右するのか

医療業界で交わされる名刺交には、肩書きと共に専門医資格についての情報も記載されている場合があります。専門医資格とは、学会専門医、学会認定医、学会指導医などを指しています。難易度はそれぞれ異なりますが、専門医資格を取得するには学会に一定期間所属したうえで業績の承認を受け、認定試験に合格し、合格後も会費を払わなければなりません。

また一般的には、5年ごとに資格の更新が必要となります。ちなみに更新にあたっては定められた数の症例を経験し、論文執筆や学会発表などを一定数行うことが要件となります。仕事をしながら時間を見つけて勉強にも励まなければいけません。そのため。専門医資格の取得している人は、医療に対する志の高い人という様子が伺えます。

しかし、専門医資格がないからといって、志が低い人材ということではありません。専門医資格を有していないことで、できなくなる医療行為はほとんどないからです。また、専門医資格を有したからといって給料はほとんど変わりません。なかには、試験に合格したり、資格を更新したりすることで仕事が増えるケースもあるようですが、自分には必要ない、と割り切って専門医資格を取得しようとしない医療従事者は意外と多いのです。

医療業界以外の立場からすると名刺に専門医資格が記載されていると、意味はよくわからないけど何となくすごい、という印象を受けるかもしれません。しかし実際のところは、専門医資格を有することが医療従事者にとってのあるべき姿、という解釈にはならないのです。